今月の茶道具 JAPANESE TEA UTENSIL
しみ竹 銘「日々新」雲澤寺閑栖 足立泰道書付
足立泰道老師が書付した茶杓です。
切止から節、そして節から櫂先にかけて景色がだんだんと変わっていく様子に「日々新」なるものを感じることができます。
日々新又日新(大学)
ひびひびにあらたにして
またひびにあらたなり
またひびにあらたなり
『愛語 よい言葉をかけて暮らそう ―山田無文老師説話集―』 (2005.11禅文化研究所編・刊)より |
殷の湯王という人は顔を洗う洗面器に、「苟に日に新たに、日々に新たにして、又た日に新たなり」と、はりつけておられたということでありますが、毎朝顔を洗うがごとく、心も毎日新しくならにゃいかん。 「苟に日に新たに、日々に新たにして、又た日に新たなり」。毎日新しい心で、ということは何にも一物も持たない心で新しい世界に触れていくならば、この世界は新しい。昨日の太陽が出ておるようだけれども、厳密に言うたら、あれだけ熱量を発散したら昨日の太陽と今日の太陽とは熱量が違うはずである。庭の草木を見たって、毎日朝顔のつるが伸びておる。昨日咲いた花は今日は咲かん。水の流れは毎日違っておる。自然の世界は毎日新しい。人間の心だけが古いところにこだわっておる。それが病気であります。 自然だけじゃない、われわれの体でも新陳代謝して、昨日の細胞と今日の細胞とは違うのです。すべてが新しくなっていくのだから、心も新しくして、昨日のことは忘れて、昨日喧嘩したことは忘れて、昨日人を恨んだことは忘れて、憎いことも嬉しかったこともすべて忘れて、新しい心で今日を迎えていくということが、道というものであります。それが本当の人間の生き方であり、正しい生き方であります。 |
