今月の茶道具 JAPANESE TEA UTENSIL
銘「千(ちと)世(せ)」 無適斎書付 黒田宗傳作
櫂先がとても特徴的な茶杓で、節にある黒いところも相まって、全体が鶴のようにも見えるとても美しい茶杓です。
古くから「鶴は千年、亀は万年」と言われるほど、長命で縁起がいい生き物としても広く知られています。銘にある「千世」もまた千年、さらに千年、末永くという意味を持っています。
古来より伝わってきた茶道をこうして今稽古できるのは、現在まで茶道を伝えてきてくれた多くの先人のおかげであります。
身体が消えてなくなろうとも私たちの心が千世となりて、無年後先までも、そして、今から未来へ一筋のお茶の和を結び、未来へ、次世代を担う子供たちや多くの人に、茶道や茶の湯の魅力、楽しさを伝えていくための一助になることが叶いますように。
