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縁を大切にする

「縁を大切にしなさい」と親や祖父母より教えられたり、人から聞いた事が皆さんあると思います。

縁は、原因の直接的な結果を発生させる「因」に対して、間接的な影響を発生させ、結果を及ぼすものとして縁があるとされています。

また、縁は、その対象として人と人との関わり、物や神仏との関わりなどを示すのと同時に、自分と人・物・神仏などを対象とする有形無形問わない関係の間に発生させる繋がりや結び合うものの糸の部分を示しているとも思われます。

そのため、縁は自分とその他の二つ以上の関係間における、縁起性の中で発生する作用ということができるのではないでしょうか。

東洋思想の研究として名高く、政財界のリーダーに多大な精神的な影響を及ぼした安岡正篤先生の息子である、安岡正秦さんは、父の教えとして「人生は縁から始まる。その縁を大切にすること」をあげておられます。

安岡正篤先生が好んで使っていた言葉に「縁尋機妙・多逢聖因」というものがあります。

「良い縁を尋ねて発展していく様は誠に妙たるものがある。

良い人に交わっていると良い結果に恵まれるということ。

だからこそ普段から善い人、善い教え、善い書物などには縁を結んでおくことが勝縁・善縁になる。

しかし何が善縁になるのか、悪縁になるのか凡眼ではなかなか見分けがつかない。

やはり、日常、自分自身の心眼を磨く、人間を磨く努力が必要だといえる。」

という意味です。

私の曽祖母も祖母や母に口酸っぱく言っていた事があります。

「縁に善し悪しというものは本来ありません。自分の縁の善し悪しというものは、自分を中心とした物差しでの善し悪しの判断でしかありません。どんな縁も神様が与えてくれた大切なもの。その縁には、必ず自分の力や糧になるものがある。その縁の中にある本当の縁というものを見つけるために努力をしないといけない。よい事をして、わるい事はしない。この当たり前のことを忘れてはいけません。善い行いをしていれば、自然と善い報いがきます。悪い行いをしていれば、自然と悪い報いがきます。周りの人の幸せや世の発展のために祈ること。念じること。人を大切にすること。鏡を磨くように自分も磨く事。そうしていれば、善い事が必ず起きますよ。何よりも「縁を切らない事」これが人としての大事です」

縁起性という考え方があります。

これは、この世には独立した存在はなく、あらゆるものは因果関係の理の中で成り立つという世界観を言います。

私がいるのも両親がいるおかげ。

私がご飯を食べられるのも、誰かがこの作物を苦労して作ってくれたから。

私が笑顔なのは、あの人のおかげ。

このように「私」と「何かのおかげさま」で生きている。という考え方をします。

この「私」という存在は、他人との関係がなければ成立しません。

縁起性の考え方を心の根底に置いとかないと、人は「私は人や社会、周囲から独立した個人としての孤独な存在である」といった感情や思考に支配され、自己の輪郭が際立ち、逆に自意識や孤独感といったものが膨れ上がってしまい、自意識過剰な被害者意識、人への攻撃性が芽生えやすくなってしまうとされています。

縁を意識して、その縁を大切にする心は自分の心を落ち着かせたり、自己肯定感、幸福感を高めるとされています。

最後にその縁を意識して、自分の自己肯定感や幸福感を高めるトレーニング方法をお伝えします。

仏教の修行方法に慈経行というものがあります。これは、「家族、恋人、友人といった周りの人、会った人のみならず、見知らぬ人の幸せも歩きながら願う訓練」です。

数ある心理的なトレーニングの中でも、心を落ち着かせる効果が高いとされています。

アイオワ州立大学のテストでは、496人の学生に「大学構内を歩きつつ、すれ違った人たちの幸せを願ってください」と指示したところ、12分間の実践で不安とストレスの大幅な減少が認められました。普段は何とも思わない他人の幸福を願う事で、縁起性の感覚が高まったからだと思われています。

家で一人でいる時に、家族や恋人、友人の幸せを只管に願うことも効果的とされています。

人との縁を大切にする。

人との縁を疎かにしたり、切ったりはしない。

善いことをして、悪いことをしない。

それを守る事が自分の幸せへと繋がります。

人を人たらしめるものは、人としての大事を忘れずに貫き通す事です。

そして、その人としての大事を常に探究して、不断の努力を欠かさずに人生を生き尽くす事。

それが大切です。

どんな時も和顔愛語。

和やかな顔で接して、思いやりのある言葉を人にかけていく。

それが巡り巡って自分にも必ず返ってきます。

偽りのない和顔と愛語の人には、善い縁が必ず訪れます。

そして、ありがとうとごめんなさい。

この二つの言葉を忘れずに生活をする事です。

そうした生活をしていれば、実のある自分になってきます。

これを最後まで見てくれたあなたにありがとう。

合掌。

縁起こり 実りある人生は花開く

道の林に諸悪莫作 衆善奉行

白む空に今日も明けゆく和顔愛語

佐々木宗芯

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