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現代的聞香とは 松栄堂「ひいな香炉」

香老舗松栄堂 ひいな香炉

灰を使わず、灰抑えも必要なく、炭にサッと火をつけたら聞香(香を聞く)や空薫を楽しめる夢のような香炉が香老舗松栄堂さんが扱うひいな香炉であります。

一般の人でも灰を使うハードルなく、楽しめるこの香炉は多く色々な場面で生かすことが可能です。客間やリビングなどに置き、お客さんを香りからお迎えしたりすると素敵な空間を演出できます。

文化の面からもこのひいな香炉は一石を投じています。

例えば煙草盆の中にひいな香炉を入れて使用したり、また、海外に赴き、お茶席、お香席を設け外国の人にお香を別の角度から聞いていただく新たな導入としての顔としても用いることができます。ご自分の思い描く自由な使い方ができます。

第二回応援茶会~Festival of world sports~においても待合に二つ「ひいな香炉」を配置して、楽しんでいただきました。待合に置く新たな試みは大変喜んでいただき、このように香りを聞けると緊張感が和らぐ、楽しい!すごいとの声を多く聞けました。自分も用いてみるとの声もあり、大変人気でありました。

中はこのようになっております。

ひいな香炉 内部構造

中央炭 みやこ炭

内部も無駄がなく、合理的な造りをしています。また、内部構造を見たところ本来の用途は空薫でありますが、聞香にも適せる造りであります。みやこ炭をこのサイズより半分に裁断して、使用するのも炭の臭さの緩和にも繋がると思われます。

炭の臭さの緩和するためには炭を流水で洗い乾かし使用する、若しくは香を聞き続けることであります。

灰を使わないお手軽なひいな香炉でありますが、やはり香は地球上で貴重なものであり、易々と大量に使用するものでもありません。その一香を真剣に聞き、その地球や自然の声を聞くのに心から向かい合う必要もございます。

それは、お手軽だからといって安易に香を聞いて、地球の生命をすり減らすお手伝いをしてはいけないということです。

ひいな香炉でも灰を使用する香炉でも真剣にその一期一香に望んでください。

心の真剣さを向上させるにはやはり、灰を一から抑え聞くこともその心を作る一助になります。まずは、お手軽に楽しみ、次は灰を使って聞く、大切なお客様のために灰抑えを少し学びお迎えして一緒に聞くなどしてみると一つ飛び出す自分が生まれます。少しづつでも姿を変えていくのです。

香老舗松栄堂主人の畑正高社長も当法人の昨年の取材において「やはりお香は貴重なもの、易々と香道や香文化を広めることも控えなくてはなりません。だけど自分たち企業は利益も求めなくてはならない。難しいことです。だからこそ香木を育てる自然保護にも私たちは従事して、使った分は新たに補充するようにし続けなくてはなりません。未来にもその足跡を残せるようにです」と語り、「現代に即した香文化や伝統文化も形成する必要もあります。多くの人が仰る伝統だからという言葉は理由になりません。」と話してくれました。

受けたら、お返しをするそれが大切であります。地球から恩恵を受けた自分がすることはその地球にお返しをする。18世紀より人の受け持つ役割が細分化され、罪や構成要素に対する意識が低下してしまいました。

何故自分はこの服を着てるのだろう。お金払ったから。とする気持ちの方があると思います。何故自分は食べていられるのか。お金を払って買ったから。と意識する向きの方が多いと思います。若しくは何も意識していないかもしれません。

サービスやその供給活動に対価を支払うことで相殺しています。

しかし、自分が生きているのはお陰様であります。

香を楽しめるのは何故だろう。あぁこういう事のお蔭か、ありがとう。お詫びしないといけないね。とした感謝と謙虚さが自分たちには必要ではないのではないでしょうか。今さえ良ければいいとする気持ちは慎まなければいけません。何故なら私たちは未来の人に対する責任も持ち合わせているからであります。とくに伝統の世界に生きる者にはその役割が大いに担わなければいけません。

この先ロボット技術、人工知能が大いに躍進し、人の役割はもっと少なく細分化されていきます。その中で一筋の光を有せるのはやはり人が長く培ってきた文化性、精神性のアイデンティティ(帰属意識)であります。その未来に役割を果たせるのは文化を学び、この先で生かす貴方しかおりません。

現代に即した行動には、責任が伴うことを忘れてはいけません。

現代は物が溢れすぎています。物は多いのに、心は退化するばかりです。

未来に更に昇華した文化性、精神性を残すために温故知新を絶え間なく行います。古きを汲み、新しきを形作る。それが執心しない工夫の一つでもあります。

少し手間することが嫌いな方、灰抑えができない、苦手意識のある方は現代的聞香を見出し伝えていくことも未来に新しい文化の息吹を運べる礎となります。

香老舗松栄堂主人・畑正高さんとは私の家族共々がご縁をいただいておりまして、北茶にも法人会員としてもご入会していただいております。有難いことです。松栄堂さんの一助にも私たちが存在できますことを願い。御礼合掌。

松に古今の栄有り 堂に至りて現を知る 歴を導に新也

佐々木宗芯

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